前回の記事では、介護職員初任者研修と、生活援助従事者研修の違いについて解説しました。
ただ、もうひとつ、今回の法改定で新たな研修課程が誕生しています。
それが入門的研修です。
研修カリキュラムは合計21時間。
たった21時間です。
介護職員初任者研修では130時間。
生活援助従事者研修では65時間。
そして、この介護の入門的研修は21時間。
研修といっても、これによって介護の実務の要件を満たす資格になるかというと、そうではありません。
あくまで介護の経験のない方のために介護の入門的な知識を伝えるというものです。
介護の「入門的研修」、トータル21時間 未経験者の参入のきっかけに… 厚労省
今年度から新たに導入される介護の「入門的研修」。厚生労働省は4日までにその内容を明らかにした。
カリキュラムはトータルで21時間。3時間の「基礎講座」と18時間の「入門講座」に大別される。基礎講座では、サービスの種類や利用までの流れ、ケアマネジャーの役割、地域包括支援センターの取り組みといった制度の概略に加え、仕事に役立つ安全な体の動かし方などを勉強してもらう。一方の入門講座では、介護職の専門性や生活支援技術、認知症、老化、ノーマライゼーション、感染症対策などについて基本を教えるという。
この入門的研修は、深刻な人手不足の解消につなげるための施策の一環。子育てが落ち着いた女性や一線を退いた中高年などがメインターゲットだ。介護の資格・経験が何もない人に「いろは」を学んでもらうことで、参入のきっかけにしたり不安を払拭したりする狙いがある。厚労省は今年度から、介護サービスの基盤を強化する元手として都道府県ごとに設けている基金を使い展開していく方針だ。
実施主体は都道府県、市町村。民間への委託も認められる。厚労省は自治体への通知に、「基礎講座のみを開催するなど柔軟な運用も可能」と書き込んだ。
18時間の入門講座については、生活支援技術を含む「基本的な介護の方法」を10時間とした。このほか、「認知症の理解」が4時間、「障害の理解」が2時間、「安全確保」が2時間。人材の裾野を広げる観点からできるだけ基本的な内容にした、と説明している。
カリキュラムを全て終えると、入門的研修の「修了証明書」が発行される。これは他の研修のカリキュラムを一部免除できる効果を持つ。130時間の「介護職員初任者研修」は109時間に、59時間の「生活援助従事者研修」は43時間に短縮される。
最大の目的は多様な介護人材の確保です。
ターゲットとしているのは、ずばり高齢者です。
入門的研修を受けることで介護の実務を行うわけではなくても、
地域の高齢者のサロンやボランティアといった活動に役立てていくこと。
そして、介護を仕事としてやっていけるようであれば、ステップアップとして生活援助従事者研修→介護職員初任者研修といったレールを用意しています。
入門的研修で受講した21時間のカリキュラムは、生活援助従事者研修・介護職員初任者研修の受講時間免除の対象となります。
この入門的研修がきっかけとなってシニア層の介護従事者が急激に増えるかというと、
実際はそうはいかないと思われます。
リタイアした後の世代で、介護という業務をどこまで担えるのか、となると
介護を仕事としてやっていきたい人と介護について勉強してみたい問人の間にはかなり大きな差があるのではないでしょうか。
コメント